表裏一体。

阿修羅ガール (新潮文庫)

阿修羅ガール (新潮文庫)


去年奈良に行った時、興福寺の阿修羅像を見た。
あの三面六臂
国宝なんぞに直にお目にかかるのは初体験でしたが、たかが像、されど像、
その雰囲気たるや、さすが戦闘神。
ちょいと困った感?憂い感?の漂う表情が印象的。

確かその時の解説によると、「asu」が「命」、「ra」が「与える」という意味という説と、
どっかの言葉で「a」が否定の意味で、「sura」が「天」を意味してるとか。
天を否定する的な意味合いで悪のイメージが強いそう。


全く真逆だよね。

「命を与える」って名前にあるのに、戦闘神。
方や仏法を護る神の一人、もう一方では魔神。

まぁ、いいや阿修羅については大した知識はないのであまり書かないことにします。


人間もまた色んな顔を持ち合わせているもので、
そんなことは無い、私には裏表がない。と言い切る人がいるのなら
勝手に神に認定して崇拝したいくらい。


人はそれぞれきっと意識的にしろ無意識的にしろ、様々な『自分』を駆使して日々生きていると
勝手に思っている。

分かり易いところで言えば、男の前で態度の変わる女。ネット上で変貌する人格。
臨機応変にそれぞれが他人から見た自分を変えたり、本当の自分を隠したりしてる。
虚勢を張ったり、茶化したり。



多分そういった事について書いてある本ではないけど、
読み終わった後、こんなことを私は考えてしまった。