キュートな乙女に憧れる。

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女


舞台は京都。
クラブの後輩に恋する男とその男が恋焦がれる乙女。
それぞれの視点でお話は進む。


乙女は天真爛漫で男はその乙女とお近づきに成ろうとあれやこれやと
作戦を練るもなかなか核心に迫れない。
その他、登場人物も少々エキセントリック。
ファンタージーチックなとこもちらりほらり。


偶然を装って会うことを期待したり、乙女との日々を妄想したり、
相手への恋い慕う気持ちを疑ってみたりと、
そんな男の行動は、きっと誰しも経験があるはずで。
何だか片思いをしてる時のあの感覚を文章を伝って久々に思い出した。
ちょっと照れくさい。


二人とそれを取り巻く人々は『ご縁』があり見えない糸で繋がっている
そんな感じ。


何より、この乙女がキュートこの上ない。
語り口調も愛らしい。



第二章 深海魚たちの一節。
本とその作家の繋がりを語る不思議少年の言葉が印象的だった。
描かれている全ての本を読みたいと思った。


ベースが恋話なのでキュートな世界観を引き摺って
読み終わった後は乙女スイッチが入って、
あぁ、恋したい!と思った。
それも、片思いで。